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2017-12-13

データ辞書がアップデート(v1.3.2)されました。

辞書とデータ収集シート

症例データの入力について
下記2項目は2019年4月以降に使用していただくJIPAD3.0シリーズの最新版の辞書と収集シートです。
更新日2022.03.01
データ辞書3.5(JIPAD3.0シリーズ用)  更新日2022.03.01
データ収集シートver3.1(JIPAD3.0シリーズ用)  更新日2019.04.01
施設データの入力について
施設データの入力は、登録されたデータの多変量解析に使用しますので必ず入力してください。また専門医研修施設認定の申請および更新のための仕組みも用意しました。登録した症例データを用いて申請が可能です。セキュリティ上の問題からJIPAD本体からは切り離して管理していますのでご安心下さい。詳細は下記マニュアルをご参照下さい。
集中治療専門医研修施設認定申請書管理システムマニュアル 更新日 2016.2.23
各症例データの連携項目
各施設の情報担当者、重症系部門システム開発者のためのJIPAD連携項目一覧のエクセルです
連携項目一覧ver3.2.2更新日 2022.03.01

感染症

コード 疾患群 疾患名
非手術    
201 呼吸器 誤嚥性肺炎
210 呼吸器 真菌性/原虫性肺炎
212 呼吸器 細菌性肺炎
213 呼吸器 ウイルス性肺炎
308 消化器 消化管穿孔/破裂
313 消化器 その他の消化器の炎症/感染
404 神経系 神経系感染
501 敗血症 敗血症
502 敗血症 尿路感染症による敗血症
503 敗血症 敗血症ショック
504 敗血症 尿路感染症による敗血症ショック
1102 筋骨皮膚 蜂窩織炎/軟部組織感染
手術    
1301 呼吸器 呼吸器感染
1401 消化器 消化管穿孔/破裂
1406 消化器 胆嚢炎/胆管炎
1409 消化器 痩/膿瘍手術
1412 消化器 腹膜炎
1904 筋骨皮膚 軟部組織感染
感染症解析時の定義:
感染症コード表に含まれるコードが主病名コードとして登録されている
副病名に敗血症(501)もしくは敗血症性ショック(503)が登録されている。

※感染症を含む主病名コードのうち、感染症としての登録頻度が低い主病名コードは上記、 感染症コード表に含めない。
例えば、その他の心疾患(109)に感染性心内膜炎が含まれるが、感染症以外の疾患の方が多く含まれるため感染症コードとして含めない。

※副病名に感染症コードが登録されている場合、主たる入室理由が感染症でない場合が多いため、感染症として含めない。

慢性疾患

慢性疾患は入院時点以前の状態であり、例えば心不全で ICU に入室したとしても、今回の入院以前の状態が NYHA IV 度でなければ心不全は選択されない。
また、もともと呼吸不全はないが、前医で肺炎に対して気管挿管され、転院直入でICU に入室した場合は、ICU 入室時点では人工呼吸器を使用しているが、今回の肺炎発症以前には呼吸不全ではないため、呼吸不全は選択されない。心不全や免疫抑制についても同様である。
ステロイド内服中の患者すべてで免疫抑制が“Yes”になるわけではなく、プレドニゾロン換算で 0.375mg/kg/日以上の場合に“Yes”となる。
転移性肺腫瘍や転移性肝腫瘍などの術後で、ICU 入室時には転移巣や原発巣が除去されていても、これらの場合には癌転移は“Yes”を選択する。
疾患名 スコア 定義
AIDS II, III, S HIV 陽性で、AIDS の定義を満たす合併症がある。
心不全 II NYHA IV:安静時もしくは非常に軽度の労作で症状が出現。
呼吸不全 II 証明された慢性の低酸素、高二酸化炭素、二次性多血症、重度の 肺高血圧、人工呼吸器依存。
肝不全 II, III 下記の肝硬変があり、かつ黄疸/腹水/上部消化管出血/肝性脳 症の既往がある。
肝硬変 II, III 肝硬変になる原因があって門脈圧亢進症状(食道静脈瘤など)が あるか、生検にて証明されている。 機能している移植肝を持っている場合は含まない。
白血病/ 多発性骨髄腫 II, III, S 過去5年以内の既往。 白血病は急性/慢性、骨髄性/リンパ性を問わない。
リンパ腫 II, III, S 過去5年以内の既往。
癌転移 II, III, S 固形癌の遠隔転移。所属リンパ節や浸潤は含まれない。
免疫抑制 II, III 6ヶ月以内に以下の治療を受けている:免疫抑制剤/化学療法/ 放射線療法/ステロイド(プレドニゾロン換算で 0.375mg/kg/日 以上)。
維持透析 II 血液透析もしくは腹膜透析が3ヶ月以上前から導入。

II: APACHE II, III: APACHE III, S: SAPS II.

APACHE II には AIDS、白血病/多発性骨髄腫、リンパ腫、癌転移という項目はないが、免疫抑制の定義に含まれると考えられるため、これらの項目に II を記載している。

APACHE II と APACHE III の肝不全の定義には若干の差異があり、また APACHEIII では肝硬変も追加されている。そのため、肝不全の定義は APACHE III のものを用い、肝硬変も APACHE II の肝不全の定義に含めている。

重症度スコア

成人重症度スコア
急性腎傷害は APACHE スコアで使われている定義(Cr≥1.5mg/dl かつ尿量>410ml/24h)を満たしたときのみ“Yes”となる。
患者情報システムで不正確に記録された動脈圧や呼吸数は、自動取り込みでは間違ったままになるため手入力による修正が必要になる。まず記録を正確に行うことが重要である。
血液ガスと生化学検査の両方で測定される Na、K、Glu はどちらも使用し、最悪値を入力する。ヘマトクリットは多くの血液ガス分析装置では測定されず計算されており、使用しない。
低体温療法など、機器により 36℃を下回るように体温コントロールが行われた場合は、その体温は使用しない。
GCS は麻酔や鎮静剤が投与された場合は薬剤がなかったとして推測する。その場合、鎮静前の状態が参考になる。ただし薬物中毒の場合は例外で、観察された GCSをそのまま記載する。また浮腫により開眼できない場合も同様に推測する。予定手術の術後などでは多くの症例では E4V5M6 となるはずである。また、APACHE IIIで評価不能となる GCS の組み合わせがあるので、データ辞書を参考にすること。
ECMO/PCPS を施行中の FiO2は、各施設・各症例によって判断してよい(人工呼吸器の FiO2 を選択する、ECMO/PCPS と人工呼吸器のどちらか高い方を選択する、患者の状態や採血部位によって臨床的に判断する、など)。
ICU入室後24時間以内に心停止もしくは死亡した場合は、脈拍・収縮期血圧・平均血圧・拡張期血圧・呼吸数の最低値は、すべて“0”を記載する。またこの場合、GCSはE1V1M1とする。
小児用重症度スコア
24 時間の最悪値を使用する成人重症度スコアと異なり、入室 1 時間以内の最初の測定値を使用する。
「術後の回復目的」には、放射線科的手技や心臓カテーテル検査を含む。「人工心肺使用後」で“Yes”を選択した患者では、「術後の回復目的」も必ず“Yes”を選択する。
高リスク診断名の「7:左心低形成症候群」については、過去に診断あるいは治療されていれば、ICU 入室時点で根治されていても選択する。

データ収集のピットフォール

今後のデータ収集の参考として、クエリ制度や不定期チェックにおいて多く見られた入力間違いをまとめておく。より詳細なルールについてはデータ辞書を参照のこと。
どの主病名コードを選択すれば良いかわかりにくいものや問い合わせが多くあったものを、この章の最後に表に記した。
入室形式
中心静脈カテーテル挿入やカルディオバージョンなどのための ICU 入室で、24 時間以内に退室する場合は“ICU での手技”を選択する。手技の目的で入室したが、その後治療が必要となり 24 時間以上滞在することになった場合には“緊急”を選択する。
予定手術の術前コントロール目的などであらかじめ入室日を決めて ICU に入室する場合は“予定”を選択する。
入室経路
透視室/心カテ室/CT・MRI/内視鏡室などから ICU に入室した場合は、それ以前にいた場所(“病棟”や“救急外来”など)を選択する。これらの場所で全身麻酔下に行われた手術が行われた場合には“手術室”を選択する。
ここでいう全身麻酔とは「該当手技のために人工呼吸器を使用した」とする。麻酔器を使用したかどうかは問わない。
脳血管や動脈瘤の血管内治療は同様の手技が血管撮影室で行われることがあるため、原則的に手術として扱う。心カテ室における経皮的冠動脈形成術などについては非手術として扱う。
入室区分が予定手術の場合、入室経路はほとんどの症例で手術室になる。
緊急コール
コードブルーおよび RRT/MET は、各施設での定義に従う形で区別する。
心停止蘇生後
心停止に対し蘇生処置を行った場合に選択する。
病名テキスト
端的に、かつ何故 ICU 入室となったかがわかるように心がける。できる限り、呼吸不全などのような症候名のみではなく原因疾患を記載する。
非手術例では主病名コードの“心停止”は最優先されるため、例えば病棟で肺塞栓により心停止した場合、主病名欄に“心停止蘇生後、肺塞栓”などと記載すると分かりやすい。
慢性疾患がある場合には、そのことを病名テキストに記しておくと、あとで見たときに分かりやすい。
ICU 在室中の治療
気管切開は手技が今回の ICU 在室中に行われた場合のみ“Yes”を選択し、単に気管切開チューブが留置されている状態で入室した場合(例:喉頭癌に対する手術中に気管切開された後に ICU 入室)は“No”を選択する。
ICU 入室前に人工呼吸が行われていた場合(術後など)は、開始時間は ICU 入室時になる。同様に、人工呼吸のまま ICU 退室した場合は、終了時間は ICU 退室時になる。特に患者情報システムからの自動取り込みを行うと、時間が不正確になることが少なくないので注意が必要である。
ICU 退室日時
ICU から死亡退室した場合退室時間は死亡時間でありご遺体が ICU から出た時間ではない。
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