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業績集

ワーキンググループより

JIPADは、全国の集中治療専門家が共同し、正確なデータの集積を通じて医学と医療の向上を目指す取り組みです。
JIPADでは、新規参加施設を募集しています。未参加施設の方は、ぜひこのページをお読みになり、参加をご検討ください。JIPADワーキンググループも全力でお手伝いをさせていただきます。
ご不明の点がありましたら、何なりとお問い合わせください。

データ精度維持のための活動

サイトビジット
目的:
①各施設の状況を理解することにより、データの質を維持し、負担をできるかぎり減らせるような情報提供を行うこと
②各施設のシステムの不具合など要望を直に収集すること
③”顔見知り”になり以後のコミュニケーションが円滑になること
具体的内容
①朝の回診やカンファレンスに参加
②使用している入力システムや、実際に入力されているところを拝見
③JIPAD の運用に関する提案、あれば質問に回答
実績
①2015 年 3 月から開始、2020 年 11 月現在で 67 ヶ所を訪問
クエリ制度
参加施設より 10 例ずつデータをアップ
管理者側でデータ内容を確認、入力ミスなどのコメントを返信
参加施設はコメント内容を確認、必要であればデータを修正して再アップ
指摘内容を参考に、次の 10 例のデータ入力を行う
10 例全てで入力ミスがなくなるまでこのプロセスを継続、その後は自由にデータをアップ
不定期チェック
クエリ制度終了後の施設に対し、数ヶ月に一度、10 例をランダムに選択し、入力ミスなどについてコメントを送信している。
これにより、継続的なデータ精度の維持を実現している。
Memo
ANZICS や ICNARC でもデータ入力の点検を行なっている(例えば人的余裕のある ICNARC では原則全例をチェックしている)。
クエリ制度を実際に適用した施設では、ほとんどの場合で数十症例の試行入力で基本的な間違いが劇的に減少する。主たる入力者が交代した場合は原則としてこの制度を繰り返すことでデータの質を担保できる。
本来、データの精度を高めることを目的としてクエリ制度を導入しているが、これまでの経験では、この制度によって人的な入力ミスの指摘以外にもその施設の採用している CSV 出力の設計ミスが指摘できたこともある。

活動状況と今後の活動予定

年次レポート
毎年の年次レポート(静的レポート)に加え、EWMA (exponentially weighted moving average)チャートを含めた動的レポートの作成を予定している。
Clinical Trial Group (CTG)委員会との連携
2017年より、日本集中治療学会 CTG 委員会と今後の連携のための協議を開始している。将来的に国内多施設研究を行う際のデータベースとしての提供を行えるようデータベースの改変なども並行して行っていく予定である。
国際レジストリとの協調

米国マサチューセッツ工科大学に所属する Dr. Leo Celi, ANZICS の Dr. David Pilcher らと協同して国際レジストリの構築を目指し、2018 年 2 月に第 1 回datathonを、2019 年には第 2 回 datathon (以下URL)の開催を後援した。
また Global Open Source Severity of Illness Score(GOSSIC)への参画を検討している。
http://datathon-japan.jp/2018tokyo/index.html

http://datathon-japan.jp/2019/index.html

小児集中治療委員会との共同
2018 年 4 月から PIM3および小児病名をJIPAD に取り入れた。2019年8月からはpSOFAも算出可能になった。今後も厚生労働省から求められる動きなどにも合わせてマイナーな改変を行っていきたい。
小児集中治療委員会を中心として全国の PICU の JIPAD への参画を引き続き呼びかけていく。
収集項目の追加・変更
2020年4月1日をもってJIPAD2.0対応は終了している。
ANZRODの算出に必要な下記項目については今後検討していく。
・入院経路(自宅、介護施設、他院、他院の ICU)
・ICU 入室時の治療制限の有無
 ANZROD 参照文献:Paul E, et al. J Crit Care. 2013; 28: 935-41.
ExJIPAD の整備
・基本項目とは別に施設独自の取集項目を自由に設定できるようにし、CSV出力を可能にした。患者台帳としての使用も可能となった。今後もさらに使いやすいように開発を継続していく。
疾患分類の追加・調整
・JIPAD辞書のアップデートを中心に、継続して見直しを図っていく。
予測死亡率の算出
ANZICS や英国の Intensive Care National Audit & Research Centre(ICNARC)は、独自の重症度スコアを使用するようになってきている。JIPAD でも、本邦の医療実情に即した死亡率予測の確立(Japanese risk of death; JROD)を検討している。

JIPADの歩み

年月 イベント
2011 年 7 月 データベース作成準備ワーキンググループ発足
2011 年 11 月 ICU 機能評価委員会で事業計画
2012 年 7 月 ANZICS-CORE と合意、情報提供受ける
2013 年 1 月 パイロットスタディ開始(5 施設)
2013 年 3 月 集中治療医学会総会にて結果発表、参加の呼びかけ
2013 年 12 月 データ辞書完成、ホームページ公開
2014 年 1 月 システム(コアプログラム)完成
2015 年 3 月 総会にて正式に参加の呼びかけ、サイトビジット開始
2015 年 10 月 ANZICS-CORE を訪問
2016 年 4 月 ICNARC(イギリスの ICU データベース)を訪問
2016 年 11 月 JIPAD2.0 の開発終了、配布開始
2017 年 1 月 2015 年度年次レポート発表(8病院9施設、5,908例)
2017 年 6 月 JIPAD ワーキンググループ設立
2018 年 2 月 2016 年度年次レポート発表(17病院20施設、15,841例)
2018年2月 第1回Datathon-Japan開催 ANZICS APDとの比較検討
2018年4月 JIPAD3.0の開発および配布開始
2019年2月 2017年度年次レポート発表(29病院32施設、27,047例)
2019年3月 第2回Datathon-Japan開催
2019年5月 登録症例数10万例突破
2019年10月 JIPAD紹介論文がJ Crit Care誌に掲載
2020年2月 JIPADデータを開放・利用開始
2020年4月 2018年度年次レポート発表(44病院46施設、37,268例)
ANZICS-CORE について

ANZICS-CORE(Australian and New Zealand Intensive Care Society, Centre for Outcome and Resource Evaluation)は、4 つのレジストリから構成されている。

Adult Patient Database (APD):成人データベース
ANZICS Paediatric Intensive Care Registry (ANZPICR) :小児のデータベース
Critical Care Resources (CCR) Registry:ICU リソースについてのデータベース
Central Line Associated Bloodstream Infection (CLABSI) Registry:カテーテル関連血流感染についてのデータベース

JIPAD は ANZICS-CORE と提携し、APD・ANZPICR と原則的に共通とした主病名コードを使用している。当然ながら両国の間には医療の質などに差があるために 100%同一のものとは言えないが、このことによって世界標準の重症系データベースとして通用するものといえる。
ANZICS-CORE は英国 ICNARC や香港、シンガポールなどの諸国とも国際的な提携を行っており、今後の展開が期待される。ANZICS-CORE の詳細についてはホームページを参照されたい。
http://www.anzics.com.au/

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