学会発表・論文など | JIPAD | 日本ICU患者データベース | 日本集中治療医学会の診療レジストリ

2021年 日本集中治療医学会 学術集会

1
名前
岡本 洋史(おかもと ひろし)
所属(施設名と部門名)
聖路加国際病院 集中治療科
発表タイトル
JIPAD update 2021
抄録
日本ICU 患者データベース(Japanese Intensive care PAtient Database:JIPAD)は2014 年より症例登録を開始したICU 患者を対象とするナショナルレジストリーである。JIPAD では,集中治療室に入室した患者の疾病や重症度,入室の経路,集中治療室における治療内容,そしてその転帰といった医療情報を収集し,各施設間での比較を行うことによって,医療の質の向上および集中治療医学の発展をめざすことを目的としている。JIPAD 参加施設/総登録症例数は発足以来順調に増加しており,2019 年5 月に総登録症例数10 万例を超え,2020 年12 月現在にはデータ登録施設78 施設,総登録症例数18 万例までその規模を拡大している。2016 年からはベンチマーキングを目的としたJIPAD 年次レポート/施設レポート配布も行なっており,各施設で御活用頂いている。最新版である2019 年度年次レポートは本学会に合わせてリリース予定であり,本発表で速報する。昨年度から新たに始まった試みとしては,JIPAD データの研究などを目的とした二次利用がある。現時点で10 施設以上からデータ利用申請を頂き,既に論文投稿中のものも複数ある。現在もデータ申請は受け付けており,参加施設皆様には是非御活用頂きたい。今年度はさらに,年次レポート機能のアップデート(各施設で自由に患者集団の絞り込みが可能となるインタラクティブレポート機能など),日本版死亡予測モデル(Japan Risk of Death:JROD)のリリースを予定している。今後も魅力的なコンテンツの提供をすることで,さらに多くの施設に参加して頂けることを期待したい。

発表資料
ファイル「1 岡本洋史.pdf


2
名前
遠藤 英樹(えんどう ひでき)†1
一原 直昭(いちはら なおあき)†1
宮田 裕章(みやた ひろあき)†1,2
所属(施設名と部門名)
†1 東京大学 医療品質評価学講座
†2 慶應義塾大学 医学部 医療政策・管理学教室
発表タイトル
今年度レポートの目玉!Japan Risk of Death (JROD) とインタラクティブレポート
抄録
今年度は,年次レポートにICU 診療の質向上に一層役立つようなコンテンツを実装した。日本版死亡予測モデル(Japan Risk of Death:JROD)とインタラクティブレポートである。昨年の本ワークショップでは,診療の質の可視化ツールとして,ICU 入室患者の院内死亡の指数加重移動平均(EWMA)チャートを紹介したが,そのチャートを描くには精度の高い死亡予測モデルを必要とした。これまでの年次レポートで用いてきた死亡予測モデル(Acute Physiology and Chronic Health Evaluation III-j など)では,過大に死亡を見積もってしまい補正が必要であった。JROD では,予測死亡率と実際の死亡率が近づくように予測モデルのアップデートを行った。これにより標準化死亡比のFunnel plot や院内死亡のEWMA チャートの信頼性が増した(図)。2019 年度の年次レポートでは,JROD でリスク調整を行った各種図表を提供する。さらに,オンラインの施設別年次レポートでは,比較の妥当性を高め,自施設の診療の質の評価をしやすくするために,インタラクティブレポートとして,ユーザーが年齢,性別,疾患群などの因子で集団を絞り込み,各種図表を見ることを可能とした。今後は,臨床研究の重症度調整にも使えるように種々の方法でJROD 予測死亡率を提供できるようにする予定である。

発表資料
ファイル「2 遠藤英樹.pdf」、「2 遠藤英樹 ビデオ.mov


3
お名前
黒澤 寛史(くろさわ ひろし)
ご所属(施設名と部門名)
兵庫県立こども病院 小児集中治療科
発表タイトル
PICUにおけるJIPAD参画のための工夫
抄録
重症小児の絶対数は成人のそれより少なく、医療情報を収集することがなおさら大切である。高いレベルで質が担保されたJIPADは、小児重症患者のデータベースの中核をなし、JIPADを充実させることが集中治療医学の発展や診療の質向上につながると考える。2018年度の改定において小児の診断名や死亡率予測等が大幅に見直されて、さらに有用な情報が収集されている。 JIPADに登録された小児症例数は、2015年度は581例、2016年度は860例、2017年度は1250例と年々増えており、近年さらに増加傾向である。ここにはICUに収容された小児症例と小児集中治療室(PICU)に収容された小児症例が含まれる。2019年の集中治療医学会小児集中治療委員会の報告によれば、わが国では年間約24,400例の重症小児患者が発生すると試算される。同委員会下部組織の小児集中治療連絡協議会に参加しているPICU28ユニット対象の調査では、年間10,941例が入室していた。これらのPICUのJIPAD参加施設数は増えてきているが、さらに施設数を伸ばすことが、わが国の重症小児の現状把握、ひいては小児集中治療の発展のために必要である。  また、JIPAD以外に小児急性期医療関連のレジストリが多数あるが、同じ情報の多重入力による入力者の負荷、変数の定義が異なるなどの理由でデータベース同士の連携ができない、といった問題がある。これについては、JIPADとの連携を見据えた、小児救急医療統合情報システムの新たな基盤が構築されつつある。これによりJIPAD参画がその他の小児急性期医療のレジストリにも繋がり、データベースとして多方面への拡がりが期待される。  JIPADでは各施設に合わせたシステム構築ができるように、多くの工夫が施されている。医師の入力作業の大幅な軽減を実現した施設の紹介や、日常診療とJIPADを融合させることで入力負荷を軽減しつつ質の高いデータベース構築を実現している施設の方策を紹介する。

発表資料
ファイル「3 黒澤寛史.pdf


4
お名前
浅賀 健彦(あさが たてひこ)†1
橋本 悟(はしもと さとる)†2
土井 松幸(どい まつゆき)†3
ご所属(施設名と部門名)
†1 香川大学医学部附属病院 集中治療部
†2 京都府立医科大学附属病院 集中治療部
†3 浜松医科大学附属病院 集中治療部
発表タイトル
JIPAD用パラメータの自動取得
抄録
ICU機能評価はハードウェア,人的資源,ソフトウェア,重症度評価,臨床成績等で行われる。JIPADは国内最大の集中治療に関するデータベースであり、ICUの重症度評価,臨床成績評価が可能である。2014年に登録が開始され、2020年12月1日現在データ登録症例数は18万件を超えた。集中治療認定施設352施設の約22%にあたる78施設が有効データ登録を開始し,223施設が参加を表明している。参加施設は増加しているが,参加表明とデータ登録開始との間には大きな壁があり、解決すべき今後の課題である。 JIPADデータ登録の障壁の一つに,データの入力業務があげられる。JIPAD登録に必要な項目数は100を超え,全てのデータを手動入力するには相当な労力を要する。業務軽減や正確性担保の観点から,登録用データの自動取得は重要となる。JIPADが収集する項目は入室時データ,在室時データ,重症度スコア,退室時データ,退院時データ,病名データに分けられる。ICU在室中の情報は重症部門システム,ICU入室前後の情報は病院電子カルテに存在することが多い。JIPAD参加施設に導入されている代表的な病院電子カルテ,重症部門システムの組み合わせで,効率がよい施設では約70%の項目を自動取得している。 しかし慢性疾患や主病名,重症度スコアに関連する診断名など病名に関連する項目や退院時予後は自動取得が難しい。特に退院時予後に関してはほとんどの施設で自動取得が出来ていない。退院時予後の調査は必要項目の中でも特に時間と労力を必要とするため、解決すべき問題である。香川大学集中治療部では2019年に病院電子カルテ上で退院時予後を半自動で抽出するシステムを構築した。抽出したデータは部門システムのJIPADデータと突合しJIPAD登録が可能となった。現在、病院電子カルテから直接部門システムに退院時予後情報を取得するシステムを構築中である。JIPAD用データの自動取得の現状や施設独自の工夫などを紹介する。

発表資料
ファイル「4 浅賀健彦.pdf


5
お名前
重光 秀信(しげみつ ひでのぶ)
ご所属(施設名と部門名)
東京医科歯科大学
発表タイトル
Datathonに参加しよう
抄録
Datathon は,医療で蓄積されたビッグデータを他分野のエキスパートが協力して解析し,得られた統計学的知見を最大限に活用しEBM の構築に寄与することを目的としている学術会である。近年この啓発的な試みは,世界各地において頻回に開催され,大きな評価と成果を挙げている。参加者は統計学的概念の医学・医療への導入という目的に賛同する医師,看護師をはじめとする医療関係者,AI や機械学習にたけたデータサイエンティスト,大学企業で活躍されている統計学者,研究者の方々など,熱意ある多職種の参加そして交流が期待される意義深い研修会です。これらを持ち,その必要性が日本でも認識されてきたことを受けて,第1 回のBig Data Machine Learning in Healthcare in Japan を日本集中治療学会,マサチューセッツ工科大学,国立シンガポール大学,ANZICS など世界から集まった専門家と共に開催し盛況に終わった。これを基盤に翌年の第2 回はGoogle 社との共催で,東京のGoogle 本社を会場とし本格的なdatathon を日本で初めて開催した事に成功した。今後より多くの方たちがdatathon に参加できるよう計画している。

発表資料
ファイル「5 重光秀信.pdf


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