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ワーキンググループより

JIPADは、全国の集中治療専門家が共同し、正確なデータの集積を通じて医学と医療の向上を目指す取り組みです。
JIPADでは、新規参加施設を募集しています。未参加施設の方は、ぜひこのページをお読みになり、参加をご検討ください。JIPADワーキンググループも全力でお手伝いをさせていただきます。
ご不明の点がありましたら、何なりとお問い合わせください。

活動状況と今後の活動予定

年次レポート
毎年の年次レポート(静的レポート)に加え、2020年度年次レポートからはEWMA (exponentially weighted moving average)チャートを含めた動的レポートの提供を開始している。
2022年8月からは施設別のインタラクティブレポートも利用可能となった。
JICRGおよび CTG委員会との連携
2017年より、日本集中治療学会 CTG 委員会と今後の連携のための協議を開始したが、国際的な共同研究などを諮問する機関として2020年に学会主導共同研究推進会議(Japanese Intensive Care Research Group, JICRG: 理事会直轄組織)が設立されたので、JIPADにおける国際共同研究などはこちらに諮問し、また新たに国内で多施設研究などを行う場合はCTG委員間とも連携する体制を取っている。
国際レジストリとの協調

米国マサチューセッツ工科大学に所属する Dr. Leo Celi, ANZICS の Dr. David Pilcher らと協同して国際レジストリの構築を目指し、2018 年 2 月に第 1 回datathonを、2019 年には第 2 回 datathon (以下URL)の開催を後援した。
また上記のJICRGの承認を得て国際共同研究であるLOGIC(Linking of Global Intensive Care)に2021年に参画し、現在 Global Open Source Severity of Illness Score(GOSSIC-2)への参画を検討している。
http://datathon-japan.jp/2018tokyo/index.html

http://datathon-japan.jp/2019/index.html

小児集中治療委員会との共同
2018 年 4 月から PIM3および小児病名をJIPAD に取り入れた。2019年8月からはpSOFAも算出可能になった。今後も厚生労働省から求められる動きなどにも合わせてマイナーな改変を行っていきたい。
小児集中治療委員会を中心として全国の PICU の JIPAD への参画を引き続き呼びかけていく。
収集項目の追加・変更
2020年4月1日をもってJIPAD2.0対応は終了している。
ANZRODの算出に必要な下記項目については今後検討していく。
・入院経路(自宅、介護施設、他院、他院の ICU)
・ICU 入室時の治療制限の有無
 ANZROD 参照文献:Paul E, et al. J Crit Care. 2013; 28: 935-41.
ExJIPAD の整備
・基本項目とは別に施設独自の取集項目を自由に設定できるようにし、CSV出力を可能にした。患者台帳としての使用も可能となった。今後もさらに使いやすいように開発を継続していく。
疾患分類の追加・調整
・JIPAD辞書のアップデートを中心に、継続して見直しを図っていく。
予測死亡率の算出
ANZICS や英国の Intensive Care National Audit & Research Centre(ICNARC)は、独自の重症度スコアを使用するようになってきている。JIPAD でも、本邦の医療実情に即した死亡率予測の確立(Japanese risk of death; JROD)し、2020年度年次レポートよりJRODから算出される予測死亡率の提供をはじめている。
診療報酬改定 令和4年
令和4年4月から特定集中治療管理料等の加算可能日の延長が認められたが、JIPADの参加がその要件とされた。詳細については下記を参照いただきたい。
https://www.jsicm.org/research/jipadjoin/
業務の増大に対する対応
すでに参加施設は100近くに増大し、さら増加していくことが想定されている。ANZICSなど他のレジストリ機関でも同様の問題を発足後抱えており、今後の対応策についてNPO法人集中治療コラボレーションネットワークなどとの連携を視野に入れ現在検討中である。

JIPADの歩み

年月 イベント
2011 年 7 月 データベース作成準備ワーキンググループ発足
2011 年 11 月 ICU 機能評価委員会で事業計画
2012 年 7 月 ANZICS-CORE と合意、情報提供受ける
2013 年 1 月 パイロットスタディ開始(5 施設)
2013 年 3 月 集中治療医学会総会にて結果発表、参加の呼びかけ
2013 年 12 月 データ辞書完成、ホームページ公開
2014 年 1 月 システム(コアプログラム)完成
2015 年 3 月 総会にて正式に参加の呼びかけ、サイトビジット開始
2015 年 10 月 ANZICS-CORE を訪問
2016 年 4 月 ICNARC(イギリスの ICU データベース)を訪問
2016 年 11 月 JIPAD2.0 の開発終了、配布開始
2017 年 1 月 2015 年度年次レポート発表(8病院9施設、5,908例)
2017 年 6 月 JIPAD ワーキンググループ設立
2018 年 2 月 2016 年度年次レポート発表(17病院20施設、15,841例)
2018年2月 第1回Datathon-Japan開催 ANZICS APDとの比較検討
2018年4月 JIPAD3.0の開発および配布開始
2019年2月 2017年度年次レポート発表(29病院32施設、27,047例)
2019年3月 第2回Datathon-Japan開催
2019年5月 登録症例数10万例突破
2019年10月 JIPAD紹介論文がJ Crit Care誌に掲載
2020年2月 JIPADデータを開放・利用開始
2020年4月 2018年度年次レポート発表(44病院46施設、37,268例)
2020年10月 JROD 開発・検証完了
2021年2月 2019年度年次レポート発表(50病院57 施設、46,805例)
2021年4月 インタラクティブレポートを公表
2021年4月 登録症例数20万例突破
2022年1月 JROD文献、Journal of Intensive Care賞受賞
2022年2月 2020年度年次レポート発表(62病院70施設、52,238例)
2022年9月 登録症例数30万例突破
ANZICS-CORE について

ANZICS-CORE(Australian and New Zealand Intensive Care Society, Centre for Outcome and Resource Evaluation)は、4 つのレジストリから構成されている。

Adult Patient Database (APD):成人データベース
ANZICS Paediatric Intensive Care Registry (ANZPICR) :小児のデータベース
Critical Care Resources (CCR) Registry:ICU リソースについてのデータベース
Central Line Associated Bloodstream Infection (CLABSI) Registry:カテーテル関連血流感染についてのデータベース

JIPAD は ANZICS-CORE と提携し、APD・ANZPICR と原則的に共通とした主病名コードを使用している。当然ながら両国の間には医療の質などに差があるために 100%同一のものとは言えないが、このことによって世界標準の重症系データベースとして通用するものといえる。
ANZICS-CORE は英国 ICNARC や香港、シンガポールなどの諸国とも国際的な提携を行っており、今後の展開が期待される。ANZICS-CORE の詳細についてはホームページを参照されたい。
http://www.anzics.com.au/

データ精度維持のための活動

サイトビジット
目的:
①各施設の状況を理解することにより、データの質を維持し、負担をできるかぎり減らせるような情報提供を行うこと
②各施設のシステムの不具合など要望を直に収集すること
③”顔見知り”になり以後のコミュニケーションが円滑になること
具体的内容
①朝の回診やカンファレンスに参加
②使用している入力システムや、実際に入力されているところを拝見
③JIPAD の運用に関する提案、あれば質問に回答
実績
①2015 年 3 月から開始、2022 年 10 月現在で 85 ヶ所を訪問
クエリ制度
新規参加時およびデータ入力担当者(施設代表者)の変更時に必要
参加施設より 10 例ずつデータをアップ
管理者側でデータ内容を確認、入力ミスなどのコメントを返信
参加施設はコメント内容を確認、必要であればデータを修正して再アップ
指摘内容を参考に、次の 10 例のデータ入力を行う
10 例全てで入力ミスがなくなるまでこのプロセスを継続、その後は自由にデータをアップ
不定期チェック
クエリ制度終了後の施設に対し、数ヶ月に一度、10 例をランダムに選択し、入力ミスなどについてコメントを送信している。
これにより、継続的なデータ精度の維持を実現している。
Memo
ANZICS や ICNARC でもデータ入力の点検を行なっている(例えば人的余裕のある ICNARC では原則全例をチェックしている)。
クエリ制度を実際に適用した施設では、ほとんどの場合で数十症例の試行入力で基本的な間違いが劇的に減少する。主たる入力者が交代した場合は原則としてこの制度を繰り返すことでデータの質を担保できる。
本来、データの精度を高めることを目的としてクエリ制度を導入しているが、これまでの経験では、この制度によって人的な入力ミスの指摘以外にもその施設の採用している CSV 出力の設計ミスが指摘できたこともある。

JIPADの組織構成

ICU機能評価委員会 ICU Functional Assessment Committee
(2022年10月現在)
  氏名 所属
委員長 土井 松幸 浜松医科大学医学部附属病院 集中治療部
委員 熊澤 淳史 堺市立総合医療センター 集中治療科
  浅賀 健彦 香川大学医学部附属病院 集中治療部
  宮﨑 裕也 済生会 川口総合病院 麻酔科
  板垣 大雅 徳島大学病院 ER・災害医療診療部
  新山 和也 埼玉医科大学国際医療センター 看護部
  高木 俊介 横浜市立大学附属病院 集中治療部
  原 嘉孝 藤田医科大学 麻酔・侵襲制御医学講座
外部委員 小松 康宏 群馬大学大学院医学系研究科 医療の質・安全学
アドバイザ 橋本 悟 NPO法人集中治療コラボレーションネットワーク
担当理事 志馬 伸朗 広島大学大学院医系科学研究科 救急集中治療医学
JIPAD事業ワーキンググループ JIPAD Working Group
(2022年10月現在)
  氏名 所属
リーダー 橋本 悟 NPO法人集中治療コラボレーションネットワーク
メンバー 青木 善孝 浜松医科大学医学部附属病院 集中治療部
  浅賀 健彦 香川大学医学部附属病院 集中治療部
  一原 直昭 東京大学大学院医学系研究科 医療品質評価学講座
  伊藤 淳 仙台厚生病院 麻酔・集中治療科
  入江 洋正 倉敷中央病院 麻酔科
  内田 雅俊 獨協医科大学 救急医学講座
  内野 滋彦 自治医科大学附属さいたま医療センター 集中治療部
  内御堂 亮 東京医科歯科大学 生体集中管理学分野
  遠藤 英樹 東京大学大学院医学系研究科 医療品質評価学講座
  大邉 寛幸 東京大学大学院医学系研究科 公共健康医学専攻臨床疫学・経済学
  岡本 洋史 聖路加国際病院 集中治療部
  川崎 達也 静岡県立こども病院 集中治療科
  熊澤 淳史 堺市立総合医療センター 集中治療科
  黒澤 寛史 兵庫県立こども病院 小児集中治療科
  島谷 竜俊 広島大学大学院医系科学研究科 救急集中治療医学
  高木 俊介 横浜市立大学医学部附属病院 集中治療部
  田上 隆 日本医科大学武蔵小杉病院 救命救急科
  富岡 義裕 自治医科大学附属病院 集中治療部
  中村 謙介 帝京大学医学部 救急医学講座
  中村 智之 藤田医科大学 麻酔・侵襲制御医学講座
  橋場 英二 弘前大学医学部附属病院 集中治療部
  畠山 淳司 大阪医科薬科大学 救急医学教室
  早川 桂 虎の門病院 集中治療科
  福田 龍将 虎の門病院 救急科
  森山 直樹 鳥取大学医学部附属病院 高次集中治療部
外部委員 徳増 裕宣 倉敷中央病院 臨床研究支援センター
担当理事 志馬 伸朗 広島大学大学院医系科学研究科 救急集中治療医学
  • JIPAD 事務局

    一般社団法人日本集中治療医学会
    〒113-0033 東京都文京区本郷 3-32-7
    東京ビル 8F
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  • JIPAD サポート

    ドゥウェル株式会社
    〒065-0009 札幌市東区北9条東12丁目1番1号
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