08重症度スコアの評価
- 再入室例および ICU での手技目的は除外。
- APACHE III, II, SAPS II は成人症例の病院死亡率、PIM2 は小児症例の ICU 死亡率で評価。ただし小児の ICU 死亡率が低いため、病院死亡率でも評価を行った。
- サブ解析として、成人重症例のみを対象とした評価も行った。
- 小児は死亡率が低く、かつ PIM2 がすでに予測死亡率のため、度数分布は作成していない。
成人全例 | 成人重症 | 小児 | |
---|---|---|---|
症例数, n | 24,615 | 14,386 | 1,132 |
ICU死亡, n (%) | 891 (3.6) | 891 (6.2) | 25 (2.2) |
病院死亡,n (%) | 1,886 (7.7) | 1,810 (12.6) | 36 (3.2) |
APACHE IIIスコア | 50 [38,66] | 59 [45,78] | - |
予測死亡率,% | 6.0 [3.0,17.0] | 11.0 [4.0,30.0] | - |
SMR | 0.498 | 0.561 | - |
APACHE IIスコア | 13 [10,17] | 15 [12,21] | - |
予測死亡率,% | 10.9 [6.0,21.7] | 16.7 [8.5,34.8] | - |
SMR | 0.410 | 0.491 | - |
SAPS IIスコア | 26 [18,37] | 33 [25,45] | - |
予測死亡率,% | 7.2 [2.9,19.6] | 14.0 [6.5,34.8] | - |
SMR | 0.452 | 0.496 | - |
PIM2予測死亡率,% | - | - | 0.8 [0.2,2.1] |
SMR | - | - | 0.666 |
(病院死亡のSMR) | - | - | 0.959 |
*中央値 [25th, 75th]
SMR: Standardized mortality ratio(標準化死亡比).
SMR: Standardized mortality ratio(標準化死亡比).
- 全てのスコアにおいて、標準化死亡比は低値を示しており、死亡予測を過大評価していることが分かる。ただしPIM2 は成人のスコアに比べ1 に近い。これらは昨年と同様の結果であった。
- 成人の3 つのスコアの中では、APACHE III, SAPS II, APACHE II の順に1 に近くなっている。これはそれぞれのスコアが発表された時期と同じ順番である(APACHE III-j:2001 年、SAPS II:1993 年、APACHE II:1985 年)。
- APACHE II, III, SAPSII の分布は、いずれも軽度の正の歪みをもつなだらかな分布をしていた。各スコアの最頻値は昨年と同様であった。
APACHE III スコアの分布
APACHE II スコアの分布
SAPS II スコアの分布
成人重症度スコアの ROC 曲線:成人全例
成人重症度スコアの ROC 曲線:成人重症例
成人重症度スコア別死亡予測の ROC 曲線下面積
成人全例(95% CI) | 成人重症(95% CI) | |
---|---|---|
APACHE III-j | 0.914 (0.907 - 0.921) | 0.888 (0.879 - 0.896) |
APACHE II | 0.890 (0.882 - 0.898) | 0.856 (0.847 - 0.866) |
SAPS II | 0.896 (0.888 - 0.903) | 0.859 (0.850 - 0.869) |
CI: confidence interval
PIM2 の ROC 曲線(ICU 死亡、病院死亡)
PIM2 の ROC 曲線下面積
小児(95% CI) | |
---|---|
ICU死亡 | 0.919 (0.869 - 0.969) |
病院死亡 | 0.857 (0.781 - 0.934) |
CI: confidence interval
- 標準化死亡比と同様、ROC 曲線下面積もAPACHE III, SAPS II, APACHE II の順に高値であった。
- これらは昨年と同様の結果であった。